◆ 笑い袋

 

はすぴーと同世代の人だったら「笑い袋」なるものを名前を聞いただけで

思い出してくれると思う。それだけ日本中で流行したしろものだったのだ。

昭和45年くらいに爆発的に売れたおもちゃだ。

 

私は20歳代だから「なんじゃい、そりゃ〜?」という人のために

説明しますと、、、、大きさにして缶コーヒーが入るくらいの袋があった

としよう。袋には「笑い袋」と書かれていて、変なオヤジが笑っている

「絵」が描かれていたように思う。その袋の真ん中辺りを押すとスイッチ

が入り『ぐわっははははっは、、、、わぁはわぁは、、、』と約1分くら

い笑い続ける。一度、笑い始めた声は1分経過するまで、誰にも止める

ことは出来ない。「止める」ためのスイッチはないし、電源自体を切る

仕組みがないからだ。

 

そのおもちゃはただ笑っているだけで、それ以外の機能は何もない。

価格は覚えていないが、今の金銭感覚で1000円くらいしたと思う。

値段の割には、大した取り柄のないおもちゃなのだが、なぜか売れに売れ

た。なぜだろう???時代背景としては「高度成長期」だったので、日本

中、ハシが転がるだけで笑ってしまうほど裕福だったのかも知れない。

 

笑い袋を聞いていると「くだらねぇ〜な」と思いつつも、その笑いにつら

れて、こちらまでもが自然に笑ってしまう魔力があった。

特に最初にこいつに出会った時は最高に笑えた。

 

なぜ、はすぴーが「笑い袋」を覚えているかと言えば、昭和45年の大阪

万博に行った父親からのお土産が「笑い袋」だったからである。

父は大阪万博に行って「笑い袋」に出会い、「くだらねぇ、おもちゃだな、、、

でもこれをヒロシ(はすぴーのこと)に持って帰ったら喜ぶだろうなぁ。。。」思った。

父はこれは万博オリジナルのおもちゃだと思ったらしいが、その時には

すでに東京はもちろん、全国的に発売されていたと思う。

袋には万博のシンボル−「太陽の塔」−が描かれてはいたが。。。。 

ともかく、父は大阪から戻るなり「おーーい、ヒロシ土産買ってきだぞぉ」

といい、笑い袋を自慢下に見せ、スイッチを入れた。 

     

以下、家族の会話 

父:これ、万博のおもちゃ。くだらねぇだろう。あははは、、、、わっは、、

母:あんた、こんなもの買ってきて。ふ、しっしっし、、、くくくく

姉:あっ、これ知っている。最近、流行って、、、、ぐわっははは

はすぴー:たた高かったんだろう がはははっ、うししし

 

こんな具合に、ばかばかしいと思いつつもつられて笑ってしまい、

平和な家族がますます「能天気」になってしまうきっかけをつくってくれ

たりもした。

ちなみにはすぴーの母は「ケンケン笑い」と姉から指摘されている。

チキチキマシン猛レースに出てくる犬の「ケンケン」の笑い方に似ている

のだ。つまり声を出さないで「しっしっしっ」と笑う。結構、気色悪い笑い方だ。

 

しかし、はすぴー家の笑い袋の寿命は2日しかもたなかった。

往々にして男の子はそうなのだが、こういう不思議なものの中身を見たがる

傾向にあり、はすぴーもその一人であった。

2日後にはバラバラに解剖され、元に戻せなくなってしまった。

中には直径5センチくらいの透明なプラスチック製の円盤とモーターと

電池と何やら精密機器のようなものから構成されていた。

たぶんその円盤は今でいうところのCD−ROMみたいなものだったの

だろう。割と単純な作りで、ちょっとがっがりもしたように記憶している。

 

はすぴー家の笑い袋の寿命は短かったが、このブームそのものの寿命も

短かった。あたり前だ。こんなおもちゃが飽きられないわけがない。

まさか、何年もこれをずーと毎日、聞いていたなんていう人がいれば

会ってみたい。でも会ったら恐い思いをしそうだな。

 

「笑い袋」はその後、「怒り袋」「泣き袋」などとバリエーションを

持つようになる。怒り袋はこんな言葉をしゃべる。「てめーふざけやがって

オトトイ来やがれ!このスットコドッコイ!」

確かに最初は面白いが、これらもすぐに飽きられてしまう運命にあった。

 

このように「笑い袋」シリーズは発売されて、すぐにブームになって

廃れるまでに1年もかからなかったのではなかろうか。

まさに熱しやすく、冷めやすい日本人の文化を象徴したような1大ブーム

だったと思う。

 

いずれ、「開運、なんでも鑑定団」で「未だに現役の笑い袋を使っていまーす」

なんていうオジサンが登場する日を心待ちにしている。


【その後の情報1】

笑い袋は元「青木商会」、現在「アイコ」という会社が現在でも発売しております。

「王様のアイデア」のようなアイデアグッズショップでみかけるロングセラー商品。

現在、1200円(平成12年8月)

 

とあるページで、笑い袋の「音」をみつけました。

いっしょに笑おう。。。。わっはっはっ、、、、

  http://hp.vector.co.jp/authors/VA006781/papico/scrap/warai01.html

 

【その後の情報2】

平成13年8月、夏休みの家族旅行で信州に出かけた際のドライブインで

「笑いの素」という商品を発見。まさに笑い袋なのだが、かなり小さめ。

しかも、現在らしく”携帯電話の着信音に反応する待ち受けグッズ”としての

機能になっているのだ。 (発売元:東洋トレーディング980円)

男性・女性・犬・猫・馬・鶏・象の8種類のバリエーションあり。

 

              

  

 


 

あの頃のセピア色の想い出



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