◆ まつみ商会(通信販売)

      

 

はすぴーが妻と約束していることの一つに「電車の中でマンガ本を

読まない」というのがある。妻が主張するに、スーツを来たビジネス

マンが電車の中で「少年ジャンプ」を読んでいる姿はとってもみっと

もないそうだ。

 

はすぴーは社会人になってからはマンガを読まなくなったが、物ごころ

がついてから大学生の頃まで、暇さえあればマンガを愛読していた。

いずれマンガの思い出など「はすぴー倶楽部」に書いてみたいと思うが、

ここではマンガではなく、マンガ本の最終ページにカラーで掲載されて

いた「通信販売」について、はすぴーの思い出を語りたい。

 

子供向けの通信販売は現在でも存在している。本物はすピー(小学5年)

が買ってくる「なかよし」という少女雑誌の最終ページにも掲載されて

いた。・・・と言っても内容的には昔とは随分と異なっていたが。

 

はすぴーの小学生の頃は今でも記憶しているが「まつみ商会」という

名前の企業が最もポピュラーな存在だった。取り扱い商品は「王様の

アイディア」(ご存知ない人もいるかな)で売っているような、いわば

アイディア商品っていうやつだ。

 

商品の写真と子供心をうまくくすぐるコメントが書いてあり、中には

「そんなすげぇものが、500円なのか!」と思わせるような上手い

プレゼンテーションをしているものもあった。子供向けだから目の飛

び出るような値段のものはなく、せいぜい1ケ月のこずかいを投入す

れば、買うことの出来る価格設定をしていたことも商売上手と言える。

そしてなぜか支払いは「切手」だった。つまり800円の商品であれば、

800円相当の切手を封筒に同封し、欲しい商品の名前と番号を書いて

送るといったもので、「前払い」しか許されていないシステムであった。

(はすぴーは通信販売によって200円切手の存在を知った)



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 では、はすぴーが購入したいくつかのグッズを紹介しましょう。
(名称は覚えていないので、はすぴーが勝手にネーミングした)

 

1.太陽エネルギーで火がつくライター

 

二つに折り畳みになっており、開くと皿状になっている。その

表面には鏡(のようなもの)が歪曲に貼ってある。

皿の中心には棒状のものがあり、その先端箇所が太陽エネルギーの

焦点になっており、タバコの火がつくという代物である。

はすぴーは小学生であり、タバコは吸っていなかったが、この類の

「サバイバル」ものにはとても興味があって、「いざ!」という時の

ために役立つ(かも知れない)ものを色々と購入した。

何度も着火をトライしたが、一度も着かなかった。。。。(^^ゞ

 

 

2.発砲スチロールで作るゴルフボール製造機

 

鋳物製の「たこやき」の鉄板みたいなものが2つセットになって

いて、中に発砲スチロールを細切れにしてぎゅうぎゅう詰めにいれる。

2つの鋳物がしっかり固定できるようになっている。

それを沸騰したお湯に入れること約5分。

(ウルトラマンには作れないぞ)

水でそれを冷やし、開けると・・・

おや、不思議。そこには発砲スチロール製のゴルフボールが。

最初のうちは面白いので、何個も作り、友達に配ったりして得意に

なるが、やがて飽きてしまう。

色をつけようとカラースプレーで拭きかけたら、溶けてしまったことを覚えている。

 

 

3.ペン型の顕微鏡(兼)望遠鏡

 

いかにも少年が欲しがる商品だと思う。

望遠鏡として使用する場合には、トロンボーンのようにスライドさせて

ピントを合わせる。大した倍数ではなかったと思うが、こっそり授業中に

校庭で運動している好きな女の子にピントを合わせるのに苦労した記憶がある。

そして片方だけ使用すると顕微鏡になる。「指紋」がはっきりと見えた。

だれかが「蚊」をつぶして持ってきてくれた。

 

 

4.暗闇でも字が書ける勉強ペン

 

蛍の光、窓の雪、、、、「蛍雪」とはそこまで熱心に勉強したという意味

のようだが、このペンさえあれば、どんな暗闇でも勉強ができる。

ペンの中には単4電池が装備され、ペン先にはライトがつく仕組みになって

いる。これは文房具として今でも生き残っているから立派なもんだ。

しかしこんなものを買う小学生が、暗闇で勉強するわけがない。

 

 

5.忍者用煙幕

 

ただの煙が出るだけの花火。すぐ終わってしまう。

これを見ていた父から「くだらねぇもん買ってくるな」と怒られる。

しかし父は自動車の非常用発煙筒(事故の時に煙で後方車に知らせる)

を着火させ、「このくらいの煙でないと本当の煙幕ではない」と

自慢していた。実におちゃめな父だと思った。

 

6.筋肉痛をマッサージするバイブレーター

 

中にモーターが入っていて、その振動によって疲れた筋肉をほぐすもの

なのだが、色といい、形といい、イボイボまであって大人になって

よーーーく考えてみるともしかしてあれは「いやらしいおもちゃ」だった

のかも知れない。

届いた時に母に見せたら、反応がなかったのはそのせいだったか?

 

その他、「たまごが雄か雌かを見分ける判断測定器」とかまゆつばもの

みたいなものもあった。今でこそ流行している「ハイパーヨーヨー」も

既に当時から「アメリカンヨーヨー」という名前で販売されていた。

水銀電池で動いたり、光ったりするキーホルダーとかも多種に及んで

いた。別の機会で取り上げるつもりだが、「シーモンキー」というプラ

ンクトンをペットにして育てるものは「まつみ商会」でしか手に入らなかった。

 

もっともっと珍しい商品もあったのかも知れないが、残念ながらはすぴー

の記憶にはない。こんなものもあったという同世代の方がいれば、メール

なり掲示板で教えていただきたい。

 

インターネットで「まつみ商会」を色々と検索してみたが、ヒットしな

かった。倒産してしまったのか、社名を変えて生き残っているのか、

そちらの情報もぜひ知りたいと思う。

     





貴重な画像はお友だちの「ぜんまい太郎」さんから頂戴しました。

原稿:1998/11/15

「あの頃」のセピア色の想い出

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