こだわりのロングセラーNo.7

『ダイヤモンドゲーム』

はすぴーがガキだった頃は、テレビゲームなんてものはなくて、ゲームと

いえば、ボードゲームのことであった。

そのボードゲームの中でもロングセラーとして根強い人気を誇っているのが

ダイヤモンドゲームだと言えよう。

「ダイヤモンドゲーム」を知らない人、見たことがない人を日本で探す方が

もしかしたら難しいのではなかろうか。はすぴー世代の人間であれば、

たいていの人はこれで遊んだ経験があるだろう。

 

赤、緑、黄色の3色に分けられたボードの上で、王駒(王様のコマ)と14個

の駒を向かい側の陣地に馬飛びのように飛び越して進めて早く移せた方が勝ち

と言う単純な遊びだ。ルールは簡単だが相手の駒や陣地までうまく利用して

飛ばし続けるなど、意外とテクニックが必要だったりする。また進むと見せて

後戻りした方がはやく上がる技なんかもあったりした。

遊べる人数も2人または3人でできる。中には詰め将棋や囲碁のように一人で

熟考する輩もいるかもしれないが、それは相当珍しい人種かも知れない。

 

修学旅行や林間学校では、ダイヤモンドゲームは荷物にもならない大きさで

あるし、適当に盛り上がるので、持ってくるやつが必ずクラスに一人はいた。

中には「野球盤」「サッカーゲーム」を肩にかついで持参する輩もいるかも

しれないが、それは相当珍しい人種かも知れない。

さて、このダイヤモンドゲームは1933(昭和8)年「はなやま玩具」

という会社から発売されており、約70年間、ほとんど変わることなく売れ

つづけているというから驚きだ。当初はゲーム盤は紙製で、駒は木製のシンプル

なものだったらしい。その後、ブリキになったりしたそうだが、昭和40年代

にプラスチックのおもちゃが増えた時期に、ダイヤモンドゲームもプラスチック

製になり、現在のスタイルに落ち着いたとのことだ。

中にはダイヤモンドゲームはやはり本物のダイヤモンドでやらないと臨場感が

出てこないという輩もいるかもしれないが、それは相当珍しい人種かも知れない。

(ちなみに手元の資料によると、昭和40年のダイヤモンドゲームの値段はなんと200円となっていた)

 

その後、ダイヤモンドゲームはボードの色分けを変えたり、マイナーチェンジを

何度か試みたそうだが、少しでも手を加えるとさっぱり売れなくなるというから

不思議なものだ。結局のところ、ベーシックなものが一番、良いという結論に

落ち着いたという。ロングセラーだけに、少しでもモデルチェンジをすると

ゲームに対する集中力がそがれて熱中できないということだろうか。

 

去年、我が家の次女がクリスマスプレゼントに「ドラえもんのゲームで遊ぼう21」

が欲しいという。要するに「豪華ボードゲーム詰め合わせセットドラえもん版」で

「ドンジャラ」というお子ちゃま向け麻雀がお目当てのようだった。

まっ、テレビゲームで目を酷使するより、ましだろうと思い買ってあげたのだが

この中にもダイヤモンドゲームが昔ながらの伝統のスタイルを守り続けてあった。

親子2代で同じゲームをするというのも、なかなか良い。これからも懐かしい

スタイルのまま売られつづけていくことだろう。

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さて、上にも書いたように小学6年の時に林間学校(足立区は日光に行く)

ダイヤモンドゲームを持ってきたやつがいた。T君といい、とにかく勉強のできる

やつで、牛乳瓶の底のような眼鏡(←死語か)をしているやつだ。

眠り猫と3猿を見学し、華厳の滝も見て、帰りのバスの中で、T君が俺と石田君に

向かってダイヤモンドゲームをやろうと言い出した。

 

バスの中なんかでできるかよ、、、といいながらもコマを並べているはすぴー。

T君はダイヤモンドゲームが得意のようで、カンガールのようにピョンピョンと

俺様のコマを踏み台にしながら己の陣地にコマを結集しつつある。

そんな矢先、バスが急ブレーキ。。。。バラバラバラ、、、、とボードから

零れ落ちる3色のコマ。その後、3人はバスの中を這いつくばって懸命にコマを

探したが4つほど見あたらなかった。

移動しているバスの中でゲームをし、コマを探し回るはめになり、さらにコマを

失ったショックも加えられ、T君は「鬼太郎袋」に世話になることになった。

※鬼太郎袋・・・「ゲゲゲの鬼太郎」から、エチケット袋のことを一般にこう呼ぶようになった。

 

ボードゲームがポータブルになって、マグネット式になったのはいつの頃だか

しらないが、時代的にはもう少し後になってからだ。バスの中ではボードゲーム

はしないで、せいぜいシリトリ歌合戦の方が良いという人生経験を学んだ。

 

その後、4つのコマを失ったものの、T君のダイヤモンドゲームでは鉛筆のサック

を代用していると石田君から聞いて、バスでもう少し熱心に探してあげれば良かった

と俺は反省した。ごめん、当時のT君。<(_ _)> 

 

はなやま玩具株式会社のホームページ

         

我が家でも「ダイヤモンドゲーム」はたまにやります♪

(原稿:2001.12.16)


 

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